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2026.02.23

サプリメントが効かない理由|遺伝子と代謝の 個体差を解説

「友人が絶賛していたサプリメントを試したけれど、自分には全く変化がなかった」
「同じような食事をしているのに、太る人と痩せる人がいる」

皆様も、このような経験や疑問を持たれたことがあるのではないでしょうか。

なぜ、ある人にとっては「特効薬」のような健康法が、別の人には効果がない、あるいは逆効果になってしまうのでしょうか。
それは、気合いや努力の問題ではありません。

私たちの身体の設計図である「遺伝子」と、物質を処理する「代謝能力」に、決定的な「個体差」が存在するからです。

今回は、万人に共通する正解が存在しない医学的理由について、掘り下げていきたいと思います。

「お酒の強さ」は、最も身近な個体差

「個体差」と言われてもピンとこないかもしれませんが、最も分かりやすい例が「アルコール」です。
コップ一杯で顔が真っ赤になる人もいれば、一晩中飲み明かしても平気な人もいます。

これは、アルコールを分解する酵素(ALDH2など)の働きが、遺伝的に強いか弱いかによって決まっています。どれだけトレーニングを積んでも、あるいは精神論を唱えても、生まれ持った酵素の型を変えることはできません。

実は、これと同じことが、NMNなどのサプリメントや、医薬品、あるいは日常の栄養素すべてにおいて起きているのです。

ある栄養素を摂取したとき、それを効率よくエネルギーに変換できる「燃費の良い体質」の人もいれば、うまく吸収できずに素通りさせてしまう「燃費の悪い体質」の人もいます。
これが、医学における「レスポンダー(反応する人)」と「ノンレスポンダー(反応しない人)」の違いです。

体内の「工場」の稼働率は人それぞれ

私たちの体内では、摂取した物質を材料にして、エネルギーを生み出したり、細胞を修復したりするための化学反応が絶えず行われています。これを「代謝」と呼びます。

体内を巨大な化学工場だと想像してみてください。
そこには、物質を加工する「作業員(酵素)」がたくさん働いています。

さらに注意が必要なのは、処理しきれなかった材料が工場内に溢れかえり、ゴミ(老廃物)として蓄積してしまう可能性があるケースです。良かれと思って摂った高用量のビタミンやミネラルが、代謝能力によっては、かえって身体の負担になる場合も研究で指摘されています。

「平均値」という幻想を捨てる

市販のサプリメントや一般的な健康指導は、あくまで「平均的な人間」を想定して作られています。
しかし、ここまでお話しした通り、遺伝子レベルで見れば「平均的な人間」など、どこにも存在しません。

自分自身の「設計図(遺伝子)」と「工場の稼働状況(代謝)」を知らずに、他人の成功体験を真似することは、自分の足のサイズを知らずに他人の靴を履くようなものです。サイズが合わなければ、どんなに高級な靴でも靴擦れを起こしてしまいます。

だからこそ、私たち医療機関は「オーダーメイド(個別化医療)」にこだわります。

遺伝子検査で設計図を確認し、血液検査や尿検査で代謝の実態を把握する。
そうすることで初めて、「あなたにとっての最適量」や「あなたには合わない成分」が見えてくるのです。


この記事で整理できたこと

おさらい

今回は、私たちの身体には無視できない「個体差」があり、画一的なアプローチには限界があることを解説しました。自分だけの「代謝能力」を知る重要性について、ご理解いただけたかと思います。

さて、自分の体質が分かったとして、次に重要になるのが「どうやって成分を届けるか」という戦術です。どんなに良い成分でも、必要な場所(脳や細胞)に届かなければ意味がありません。

次回は、サプリメント(経口摂取)だけでなく、注射・点滴、そして点鼻など、医療現場で使い分けられている「投与ルート (DDS: ドラッグ・デリバリー・システム)」の科学について解説していきます。

本記事は研究背景や考え方を紹介するものであり、特定の効果・効能を示すものではありません。
治療や使用については、必ず医師にご相談ください。

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