末期の癌でも諦めない~第4の治療法「免疫療法」
免疫療法は、手術療法、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法という3つのがん治療の柱に続く、第4のがん治療法として注目されています。
手術療法は患者自身の体力が著しく落ちていると治療に耐えることが難しく、また化学療法、放射線治療は「副作用がある」「施術より確実性に欠ける」などの欠点がありました。
免疫療法は、手術の必要がなく、また患者自身の免疫細胞を使用するので、副作用がほとんどないため、第4の治療法として、現在大きく注目されています。
免疫療法とは?
■免疫は、からだの内外からの外敵から身を守ること
私たちの体は免疫の力によって、外からのウイルスや、体内で発生したがん細胞を排除しています。
免疫の主なはたらきを担っているのは、免疫細胞と呼ばれる血液中の白血球などです。このうち「T細胞(Tリンパ球)」には、がん細胞を攻撃する性質があり、免疫療法で重要な役割を担います。
■免疫があるのに、なぜがんになるのか?
実は、健康な人間でも毎日がん細胞を体内で生み出しています。
がん細胞は、遺伝子の突然変異によって生まれ、勝手に増殖し続けてしまう細胞です。
健康な人でも、一日に5,000個ほどのがん細胞をつくり出していると言われています。本来なら、こうした異常な細胞は免疫システムによってすぐに撃退される為、5,000個のがん細胞がつくられたとしても、がんの腫瘍に発展することはありません。
しかし、がん細胞の中には悪質なものがあり、正常な細胞の印をもったままがん化したり、がんを攻撃する細胞のはたらきを弱めるたんぱく質を分泌することがあります。そして免疫システムをくぐり抜けたがん細胞が増殖を繰り返し、やがてがんになります。
■免疫の力を高めるのが免疫療法
免疫システムの力は加齢とともに衰え、またストレスが多かったり、食生活や生活習慣が乱れていると、がん細胞が増殖しやすくなります。一度、免疫細胞の網をくぐり抜けてしまうと、がん細胞は無限に増殖を繰り返していきます。
免疫療法は、弱ってしまった免疫システムに対して、体の外で免疫細胞を培養し、さらにその免疫細胞を活性化させた免疫を投入することで、がんと戦う免疫システムを復活させる治療法です。
免疫細胞BAK療法とは
BAK療法は、BRM Activated Killer(生物製剤活性化キラー)療法の頭文字を取ったものです。
免疫細胞BAK療法とは、自然免疫細胞のNK細胞とγδT細胞、獲得免疫細胞のヘルパ-T細胞とキラ-T細胞を主体とした治療法です。
本療法は、自然免疫細胞のNK細胞とγδT細胞を使用するために、がん細胞を特定することなく非自己細胞としてがん細胞を攻撃できます。
さらに、自然免疫では対応できない敵に対処する為に、獲得免疫細胞のヘルパーT細胞とキラーT細胞も使用するため、さまざまなアプローチでがん細胞に対し攻撃します。
方法としては、患者さんから採取した血液をもとに、免疫細胞を培養、化学的に活性化して、点滴によって活性化した状態の免疫細胞を体に戻してあげます。
また、免疫細胞BAK療法は、患者様本来の免疫機能を強化する為、抗がん剤治療や放射線治療と組み合わせることで、さらに高い治療効果が望めます。
免疫細胞BAK療法の特徴
自然免疫細胞・獲得免疫細胞のダブルパンチでがんを討つ
がん細胞は増殖するにつれて、免疫細胞の攻撃を逃れる為に、がん細胞の目印の1つである「白血球抗原(HLA-Ⅰ)」を70%位を隠していきます。獲得免疫細胞である「キラーT細胞(CTL)」は、「がん抗原」と「白血球抗原(HLA-Ⅰ)」を同時に認識してがん細胞を攻撃します。そのために70%位のがん細胞を認識できなくなります。免疫細胞BAK療法は、自然免役細胞を使用するために正常細胞を認識して、それ以外の細胞(がん細胞)を攻撃する療法で、主にγδT細胞とNK細胞を増殖(100億~200億個)、活性化します。
圧倒的な免疫細胞の数でがんを攻撃
人初期のがんの大きさは10mm位とされています。約10億個のがん細胞の集まりです。攻撃する免疫細胞数が問題ですが、通常の培養技術が10億個~20億個の細胞数であるのに比べて免疫細胞BAK療法の培養技術では、100億個~200億個の細胞数で「がん」を攻撃します。
免疫細胞をより強い状態で体内に
増殖した免疫細胞は、活性化(覚醒)と呼ばれる状態でなければ「がん」を攻撃できません。免疫細胞BAK療法は、免疫細胞を活性化させてから体内に点滴により戻すことで、がん細胞を攻撃します。
副作用のリスクが低く、通院で治療が可能
免疫細胞BAK療法は、自己の免疫細胞を使用しているために殆ど副作用がありません。治療に要する時間は外来の点滴で1時間位で入院の必要はありません。