〜新型コロナによるサイトカインストームなどウイルス感染症・後遺症の治療・予防へ向けた展開〜
当院のメディカルサポート企業であるミライラボバイオサイエンス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:田中 めぐみ)は、新型コロナ、インフルエンザなどのウイルス感染による健康被害の治療・予防にも、NMNが有効である可能性を明らかにしました。この研究は、特定非営利活動法人 システム・バイオロジー研究機構(東京都品川区、会長:北野 宏明)、SBXバイオサイエンス社(カナダ バンクーバー、CEO:谷内江 綾子)と共同で行ったものです。
本研究の成果は、2023年7月21日(日本時間)に、英国際科学誌『Scientific Reports』誌にて全世界に向けて一斉公開しています(1)。
NMNは、ビタミンB3などを材料として体内で自然に生成される成分であり、体の中の細胞が活動するために欠かせない物質です。また、加齢に伴い体内でのNMN生産量が減少していくことが、様々な加齢性疾患(生活習慣病、がん、認知症など)を増悪させる一因であるとも考えられています。近年、抗老化、神経変性疾患の治療、心臓の保護など、NMNの優れた性質を、機能性食品素材、ヘルスケア製品、医薬品、医薬品中間体などへ応用する動きが加速しています。
本研究は、『NMNの新たな可能性を見いだすこと』を目標に計画した研究のひとつです。
本研究では、新型コロナウイルスの後遺症としても知られる、血栓の形成や過剰な炎症反応(サイトカインストーム)に関与する細胞として、ヒト由来の肺微小血管内皮細胞と冠動脈内皮細胞を用いました。これらの細胞を培養する際に、ウイルス感染を模倣した処理として、ウイルスRNAと似た構造をもつポリ(I:C)という物質を加えました。その結果、主要な炎症誘導因子とされるインターロイキン6(IL-6)などの発現が増加しましたが、ここにNMNを同時に加えることでIL-6などの発現の低下が観察されました。
また、細胞に発現している全ての遺伝子を定量する解析(トランスクリプトーム解析)と、発現量に特徴のあった数百種類の遺伝子どうしの関係解析(ベイジアンネットワーク解析など)は、NMNが炎症経路の活性化を緩和する強固な制御メカニズムが血管内皮細胞に存在することを示唆しています。このことは、SARS-Cov2によるサイトカインストームなどのウイルス感染症・後遺症や、加齢に伴う動脈硬化症などの原因となる慢性・急性の炎症治療におけるNMNの新たな役割の可能性を拓くものであります。
ミライラボバイオサイエンス株式会社は、当院のメディカルサポート企業であり、世界に先駆け2015年にNMNサプリメントの販売を開始した、NMNのリーディングカンパニーです(2)。科学的根拠に基づいた「プロダクティブ・エイジング」の世界的な実現を目指し、NMNの効果を数値化する健康度郵送解析シリーズ「ミルメス」の拡充や(3)、NMNサプリメント・NMN点滴研究用試薬原料・NMN配合化粧品等の供給などを通して、Quality Of Lifeの向上に寄与すべく取組を続けております(4)。
(1) “Nicotinamide mononucleotide (NMN) alleviates the poly(I:C)-induced inflammatory response in human primary cell cultures”
https://www.nature.com/articles/s41598-023-38762-x
(2) https://www.atpress.ne.jp/news/59540
(3) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000103030.html
(4) https://mirai-lab.jpn.com/pages/history
■本件のプレスリリースはこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000103030.html